2010年1月7日木曜日

シンネン、そして抱負

中高生くらいのときは頭の中がロック過ぎて、ちょっとイタイ少年だった。

初めて見たライブは、
友達に誘われて行った電気グルーヴ(ラジオも欠かさずチェックするくらいのファン)だったのだけど、

「自分は表現する側の人間になるのだから、
他人のライブで我を忘れてしまってはいけないんだ」

と勝手に自分に言い聞かせ、
テクノやハウスと言われるダンスミュージックを目の前に二時間近く棒立ちしていた。

そんくらいのイタイ少年。


そんなもんだから、
友達にもロックの寿命
(ジミヘンやジャニス、カート・コバーン、ジェフ・バックリー等が死んだ歳)よろしく、
「27歳までにナニモノにもなれなかったら、死んでやる」と、
これまたイタイ発言をしていたもんです。


とはいえ、
その発言はいつも心のどこかにあって、
20代に突入しても引っかかったまま。

それでも、
そうこうしてるうちに当然時間は流れていき、
何事もなく27歳の誕生日は過ぎていくわけです。


大学で映像を学び、
それなりに評価をされるような作品を作ってはいたけれど、
ずっと音楽がやりたくて
「映像は得意なことだけど本当に好きなのは音楽だから」と、
映像制作の活動は一旦停止させて、
音楽に打ち込み、
稼いだお金はほとんど音楽に消えていくという生活。

後戻りが出来ないくらい打ち込んで、足りない才能を補おうと思ってた。
でも、なかなか思い通りの形にならない。
そんなことが永遠と続く毎日。


そんなナニモノにもなれず、
ただボーっと20代も終わりを迎えようとしていた頃。
久しぶりに高校時代の友人と再会した。

仕事をしながらも、
何だか気持ちだけが先走ったまま、
中途半端に音楽活動を続けてきた自分。
仕事に打ち込んで、それに悩む友人。
お互いの近況をひとしきり話し終えた辺りで、
ふと友人が

「そういえば、『32歳までにナニモノにもなれなかったら、死ぬ』とか言ってたよね(笑)」

と呟いた。


耳を疑った。

「32歳?」

「うん。なぜか32歳って言ってた(笑)」


自分の目標のタイムリミットを10年以上ものあいだ27歳だと思い込み、
それが果たされなかったまま途方に暮れていたのだけど、
あらためて
知らされた事実(笑)。


なんだか、そのことにすごく救われた。

未来の自分に期待していた過去の自分を、
まだ裏切ってはいなかったんだという安堵感。


それから少しして、
むやみやたらに自信がある映像でだったら、
今からでも32歳までに間に合うんじゃないか?
って気がして、再びビデオカメラを手にした。



そして今年が、その32歳になる年です。

今年もよろしくです。




あれだけ電気グルーヴでは踊ろうとしなかったにも拘らず、
あっさり独りモッシュを決めてしまう等、
諸々のイタさを爆発させていた高校生の頃の自分。
画面右後方。